こだま通信33号 2005年8月6日

 いよいよ本格的な夏になりました。みなさまにはいかが御過ごしでしょうか。最近、我が家の御隣Y家がソーラー発電器を購入・取りつけました。Y家の奥様の話では売電も可能で、そのせいか家の電気を節約するようになったとのことです。 ところで最近、気になるのが地震です。東京地方では数回震度5〜4の地震に見まわれています。私の家では風呂場のラジオが洗い場に落ち、部品の一部が破損するなどの被害が起きました。日曜日の夕方の地震では最初、突き上げるような感じが続き、そのご横揺れが来ました。古い家なのでつぶれても止むを得ないと思っておりますが、火事だけは出さないようにと気をつけております。
 
渡来人伝説(高麗家のルーツ) T

 さて、前回で渡来人の話をさせていただきました。昔むかし、われわれの祖先縄文人は、山にあっては木の実を採取し、海にあっては貝を取り、土をこねて火で焼き、お椀や瓶を作りました。食べた貝を捨てたところ、そこが盛り上がって貝塚ができました。そのご稲を栽培し弥生人といわれる人々の集団が生まれました。稲作は人々の定住を促し、部落ができ村ができました。たいへん仲良く暮らしていたのですが、だんだんお米の採れ方に違いが生まれ、貧富の差が生まれるようになると争いごとが多くなりました。その結果力を蓄えた集団を中心にして国が出来、朝廷の力で国が統一され、貴族が生まれ、貴族を守るために武士が生まれ、そして武士が力を持って貴族を倒し、武家による政治が始まった、と学校で習いました。
 
 古代日本の歴史を書き記したものとされるのは古事記や日本書紀です。日本の各地に残る古墳は天皇家や地方の有力者(豪)の墓と言われています。古墳から発掘された埋葬品は当時の権力者の勢いを示すもの=埴輪や銅鐸、剣や装飾品が日本中の博物館や資料館で見ることができます。これらの資料の発掘や収集は、法律に基づいて各地の教育委員会によって行われています。これら地下に埋まっている文化財は「埋蔵文化財」といわれるもので、大規模な開発に当たっては事前に調査が義務付けられています。古墳のみならず、さまざまな生活の痕跡である住居跡や寺院の跡が調査発掘の対象になっています。

埼玉県日高市に、高麗神社(こまじんじゃ)と呼ばれる古い神社があります。この神社の宮司さんは始祖から数えて59代目の高麗澄夫氏です。このかたは地元ではたいへん有名な方で、金達寿(キムタルス)氏が書いた本の中にたびたび登場します。また、作家坂口安吾の著作の中にも登場している方です。なぜ登場するのかと言いますとこの方の先祖が古代朝鮮から渡来した、高麗若光(じゃっこう)だからです。高麗若光は高句麗から渡ってきた人で、当時1800人ほどの朝鮮からの人々(渡来人)をまとめて武蔵の国を興したとして知られています。その証拠はいろいろあるのですが、記述としては日本書紀にそのいわれが記され、この日高の地に若光の墓があり、家系図が残されていることがその根拠になっています。

日高市の観光案内の中にも、また市の教育委員会が編纂した市史の中にも大学の先生がまとめた資料があり、より詳しく知ることができます。しかし地元の歴史家や、全国の研究者の最大の疑問は武蔵の国はどこに中心があったのか? ということのようです。専門家の方は寺院の瓦や土器などを根拠に当時の様子を再現しようと考えます。分布の具合ですとか、土の中にどのように埋まっているか・・等々を調べます。寺院であれば建物の土台であった大きな石がないかどうかなどを調べるのです。福岡と佐賀の境にある吉野ヶ里遺跡はそのような方法で広大な遺跡を掘り当て、ついには当時の住居や見張りやぐら、そして柵に囲われた集落を再現してみせました。このような学問は「考古学」と呼ばれる分野でして、文献の無い時代の歴史を解明する手段になつています。

私は以前、この「こだま通信」のシリーズの中で、「日高と天皇」というテーマを書かせていただきました。これは戦前の日高の様子を本や新聞の資料を中心に調べてまとめたものです。「こだま通信」の内容は前後して、「日高・飯能民主文庫だより」に連載しました。また、そのごの勉強の結果を追加して、同じタイトルの読書ノートを自分のホームページに掲載しました。このテーマを追う中で、東京東大和市の安島喜一さんという人を知ることが出来、その方との交流の中で日高の歴史のもっと古い時代を調べることに興味を持ちました。安島氏は現在、万葉集の中にある歌を手がかりに古代の東京や埼玉の様子を調べている方ですが、日高にも万葉歌碑が巾着田や飯能市の阿須という場所にあり、その由来について調べられていました。その方との約束で古代の日高の様子を調べるお手伝いをすることになりました。

古代の歴史などと言っても最初は皆目見当がつかず、図書館で手当たり次第本を借りていました。休みの日にインターネットでも調べているうちに、神奈川県小田原氏在住の新井直樹氏という方のホームページにぶつかりました。この方のホームページは旅行記が中心なのですが、自分は新井家の子孫だということが書いてありました。新井家というのは日高では有名な旧家で、私の歯医者は新井さんといい、以前、一緒の職場の教授も日高在住でゆかりの方ということを聞いていました。この新井直樹氏に連絡をとるなかで、郷土史との接し方のようなものを教わりました。また、渡来
人はどのようにして日本の国に渡ってきたのか、というお話をしてくれました。そのお話はたいへん奇抜なもので、「目からうろこ」のようなお話でした。そういうわけで私の勉強に弾みがついてしまいました。

(次回に続く)

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追記
私の喘息の発作はその後収まっております。発作時はM病院で指示された錠剤を服用していましたが、手や肩のしびれなどの副作用が強く現れました。このため、M病院に電話をかけて医師と相談の上、服用を中止しました。その後、職場に近いTクリニックを受診しました。その結果「フルタイド200ディスカス」というステロイド吸入剤を使用するようになりました。医師の説明によれば肺が炎症を起こしているため、この薬で治療効果を上げるとのことです。高血圧の人には原則禁忌なのですが、医師の指示で可能な薬だとのことです。

返信

渡辺 様

残暑お見舞い申し上げます。
いつも「こだま通信」をなんとなく楽しみにしている1人です。渡辺さんも元気に頑張ってるなと感心してるところです。
ちょっと気になることが書いてありましたのでメールしました。それはステロイド系の薬を服用されてるとの事ですが、確かステロイド系の薬はホルモン系にも作用する薬でDNAに異常(がん)を起こす可能性がステロイド系以外の薬より高いようです。必要最小限にし、特に連用、常用は避けられた方が無難だそうです。よく効く薬は使用が難しいです。薬は両刃の剣です。自分でも学習し上手に薬と医者と病いに付き合って下さい。私は戦後日本人の癌患者が増加したのは薬の飲みすぎだと解釈してます。医者がやたらと薬を処方するようになったのに比例して増加しています。他人の精にしないで自己責任を強化しましよう。

衆議院が解散して郵政民営化が国民投票になり良かったです。参議院もはじめて存在価値を示しましたね。今年の残暑のきびしさと同様に郵政民営化(公務員約40万人減、その給与約2兆円減)も政党も、きびしくチェックして投票
しましょう。
ではまた 「ともしび」等で会いましょう。
2005.8.9.
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T. I
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