こだま通信39号 2006年3月8日
もうすぐ春がやってきます。去年の”こだま通信”をめくったところ、2月の通信に灯油のことが書かれていました。移動販売車から買うと18リッター一缶が990円となっていました。今年は1430円でした。なんと1.4倍強です。原油の値上がりが私たちの生活を直撃しているのです。小泉内閣になってからは医療費負担の増加、社会保障の切り下げが大幅に行われました。たとえば自立支援法がこの4月1日からの施行されます。これに伴い、精神医療の公費負担が5%から10%に増加します。
このような福祉切り下げの一方で、自民党は去年の11月に”新憲法草案”を発表しました。この案は憲法9条を変えて軍隊を持てる国にしょうというものです。最近の毎日新聞の調査では6割強の国民が憲法改正に賛成とのことです。賛成の動機は北朝鮮の問題(拉致事件など)を解決するには武力が有効だという考えのようです。私の考えは逆で、武力の行使はさらに緊張を高め、今以上の犠牲を生むだけだと考えています。福祉や教育にお金が回らず、軍備には膨大なお金がかかります。相手をノックアウトするまで戦うという、「スポーツ感覚」で武力を肯定してはなりません。
渡来人伝説(高麗家のルーツ)Y
さて「高麗家のルーツ」を調べていくことが今回のテーマでした。私の現在までの勉強ではやっと自分の中に”輪郭”が出来上がったかな、という感想です。要するに朝鮮半島から渡ってきた人々、それらの人々は朝鮮半島での勢力争いに敗れた人々ですが、彼らは当時の日本の支配者の庇護を受けて、新たな征服者・開拓者として埼玉の地にやってきたわけです。それらの人々を統率した「高麗王」が死後、高麗神社の”祭神”の一人として尊敬を集めてきたのです。その高麗神社を支えてきたのが「高麗家」で、現在の神主さんは59代目とのことです。
この間、日本の中の古代朝鮮文化を発掘し、著作にあらわした「金達寿」という人物に触れました。
この人の著作により日本の歴史を見る目が変わったと思います。この方の著作は日本書紀をはじめとする現存する資料に依拠しつつ、日本全国の地名や墳墓の成り立ちを研究して古代朝鮮との類似性を明らかにしました。そういう意外性に大いに興味を覚えました。また、日高に埋もれていた埋蔵文化財の調査結果を分析し、実際に踏破して批判的に論評を行っているアマチュア歴史家の方との交流もありました。彼らは独自の理論を持ち、独自の見解を持っているためか、大変魅力的な人々です。
興味をそそるようなホームページもたくさんあります。狛犬(こまいぬ)や建物・鳥居そして”祭神”などに博物学な焦点をあてた「神社の研究」もあります。私の高校生時代には、東京・武蔵野地域の神社仏閣めぐりを好んで行いました。その結果を文化祭で発表して喜んでいました。その当時は外見だけにとらわれており、建物や石碑、創建の歴史にしか興味がありませんでした。しかし明治時代に神社・寺院の改廃が行われており、同時に伊勢神宮の神官が全国の神社に派遣されて”祭神”の統一を指導した歴史は知りませんでした。歴史の「偽装」を見破り、正しい歴史観を持つ必要性を感じるこのごろです。
終わり。
HP トップページへ