こだま通信26号 05年1月3日
2005年が幕開けをしました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。昨年は申年、今年は酉年(とりどし)と十二支で表すとこのような年になります。昨年はどのような年であったかと問われれば「災いの年」とどなたもお答えになるのではないでしょうか。中越地震のことではこの通信でも書きました。新幹線が年末に復旧し、関係者のかたがたの努力が目に見えました。しかし未曾有の自然災害はスマトラ島沖南北1000kMに亘る地震がもたらした津波の被害ではないでしょうか。
大勢のかたが行方不明になっており、日本人の死者も多数出ています。しかし沿岸諸国の被害者数はけた違いに大きく、その模様の具体的な報道は伝わっていないようです。報道する手段が制限されていることも原因だと思いますが、次のようなことが言えないでしょうか。私達は小さな身近な事件ほど針小棒大で伝えられることを知っています。しかしこのような大事件になると個人の理解を超えてしまい、とたんに思考が停止状態になってしまいます。どこから手をつけたら良いのか分からなくなるのです。
一部の援助もスタートしたようですが、まったくの無力感から立ちあがるには莫大なエネルギーが必要です。今地球上に起こっている「災害」を「福」に転じるにはどうしたら良いか? それぞれの国と地域で大きな課題を抱えた1年がスタートしました。私自身も正念場を迎えました。発想の転換も必要でしょう、新しい目標を立てて挑戦する力を集中することも大切な気がします。仕事には停年があるけれど、生きていく上での目標には停年が無い。日本の戦後60年、原爆の被災後60年の節目を思うとき、またあらたな課題を突きつけられた思いです。
「すいとんを食べながら戦争体験を語る会」の聞き書きはお休みします。次回の通信では日高市横手台在住の松澤聡さん「私の広島原爆体験記」を予定しています。最後に、「こだま通信」の読者でお年賀状をいただいた方より励ましのお言葉をいただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。
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